新着情報
2050日本低炭素ナビeラーニングシリーズ制作(2016年5月)
公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)は、2050日本低炭素ナビeラーニングシリーズ「あなたがナビする未来エネルギーの道筋:低炭素で持続可能な社会に向けて」を制作しました。このeラーニングビデオは、「2050低炭素ナビ」について 詳しく紹介するものです。
日本版2050低炭素ナビゲーター第2版公開(2016年3月)
日本版2050低炭素ナビゲーターのウェブツール第2版が更新されました。改正版では、「S+3E」を閲覧できる機能を追加し、使いやすい仕様に改善しました。
日本版2050低炭素ナビゲーターについて
福島第一原子力発電所の事故発生以降、将来のエネルギー政策を定めていく上で、日本は岐路に立たされています。最適なエネルギーミックスと低炭素技術を選択し、エネルギー供給の安定化とともに、温室効果ガス(GHG)排出の80パーセント削減という野心的な目標を達成することが求められています。
政策決定者、エネルギー供給者、消費者(一般市民を含む)が、エネルギーの安定化やGHG排出量の削減について日本が取り得る選択肢を理解するため、地球環境戦略研究機関(IGES)と国立環境研究所(NIES)は、日本版2050低炭素ナビを共同開発しました。これは、英国にて開発された英国版2050パスウェイ・カリキュレーターの日本版に応用したものです。日本版の開発にあたっては、多くの専門家や英国エネルギー・気候変動開発省(DECC)の英国版パスウェイ・カリキュレーター開発チームによる有益な助言を頂きました。加えて、本ナビゲーターの開発にあたり、駐日英国大使館および日本環境省に多くの支援を頂きました。
データの透明性が高く手軽な操作で結果を表示できる低炭素ナビは、エネルギーや気候変動対策に関する様々な関係者による議論を活発化し、学生や一般市民が日本の将来の低炭素社会の在り方を考える有用なツールになると考えています。
2014年7月23日から24日にかけて横浜市で開催される第6回持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP 2014:The Sixth International Forum for Sustainable Asia and the Pacific)において、低炭素ナビのウェブツール版を公開しました。
低炭素社会に向けたエネルギーシナリオを描くツール
低炭素ナビは、ウェブツール版とエクセル版の2つの形式を用意しています。これらのツールにより、日本がエネルギー需要を満たしつつ、GHG排出をどのように削減するかといった低炭素社会に向けて根幹となる問いに対して、幅広い利用者が自ら模索することを可能にしています。
- 「2050低炭素ナビ」の紹介(2014年12月25日講演資料・742KB)
ウェブツール 第2版公開(2016年3月)
紹介ビデオ
エクセル集計表版
オリジナルの排出パスウェイを作りましょう
低炭素ナビは、日本経済に関わるエネルギーの需要側・供給側の両側に立つセクターを扱っています。セクターを選択すると、今後取り得るシナリオに関するオプションが4種類あるいは5種類用意されています。選択するセクターを組み合わせることで、任意のシナリオを作成します。低炭素ナビのウェブツール版を使って、あなた独自のシナリオを作ってみましょう。そして、日本の将来の低炭素社会構築に向けた様々シナリオを描いてみましょう。
エネルギーの供給側では、日本のエネルギー生産手段を選択し、シナリオを作ることができます。例えば、再生可能エネルギーを現在と同じ量で生産するというエネルギーミックスのシナリオを作ることもでき、エネルギー構成の割合を大幅に変え、2050年までに太陽光発電を226ギガワットに増量(現在の16倍)、陸上風力発電を25ギガワット(現在の8倍)に増量するという、野心的なシナリオを作ることもできます。
エネルギーの需要側では、移動する際に、自家用車を使用するか、バスや電車を利用するか選択することができます。さらに、内熱エンジン車、ハイブリッド車、電気自動車、のように車両の技術を選択することもできます。
各選択に対し、2050年までの推移を想定したシナリオを4通り設けています。シナリオは、排出量削減の努力をほとんど、或いは、全くしないレベル(レベル1)から、低炭素社会への移行を目指し、排出量削減に向け多大な努力を行うレベル(レベル4)まで設定することが可能です。レベル1は、現状と同じ排出量や技術であり、消費者行動に変化がないことを前提とします。これに対し、レベル4は、再生可能エネルギー導入量の増加、先進技術、エネルギーサービス需要の減少といった国民による多大な努力を実施することを前提とします。再生可能エネルギー部門にはレベル5を追加しています。レベル5は、GHG削減を促すために、物理的・技術的な限界に挑戦するような極めて野心的な社会的な変化を遂げるような前提を設けます。各レベルの設定がもたらす影響については、解説も付属しています。
ウェブツール版においてはタブを表示させることで、選択したシナリオに関するオプションによる結果の詳細を見ることができます。例えば、選択したシナリオに関するオプションによる発電量に対する影響を確認すること、エネルギー需要から供給に至るまでのエネルギーの流れを視覚的に追うこと、選択したエネルギー需給構造を達成するための費用について知ることができます。
ご不明な点がありましたら、低炭素ナビチームまでお問い合わせ下さい。
ツールキット
低炭素ナビのウェブツール版は、エクセル版にあるデータセットを基に開発されています。エクセル版は、ウェブツール版よりも複雑な構造となっていますが、算出手順や仮説などの情報のすべてを公開しています。「利用ガイド」の中でウェブツール版の起動方法を説明しています。また、研究報告書「日本版2050低炭素ナビゲーター:概要とシナリオに関するオプション設定」(原題:“Japan 2050 Low Carbon Navigator: Overview and Trajectory Setting”)の中では、ウェブツール版で使用しているセクター別設定を詳細に説明しています。
2014年2月20日および4月16日に、東京において専門家会合を開き、低炭素ナビのエクセル版を精査しました。2014年5月12日には、在東京英国大使館にて低炭素ナビのワークショップ・トライアル会合を開催し,大学の専門家、政府関係者、報道関係者に対して低炭素ナビを披露しました。詳しくはIGESのウェブサイト(英語)をご覧下さい。
2050日本低炭素ナビ概要と排出削減の経路の設定(1.7MB)
(原題:“Japan 2050 Low Carbon Navigator: Overview and Trajectory Setting”)